元気になる情報誌 yomiっこ
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編集長のメッセージ 2013年08月号 - yomiっこ
yomiっこ 2013年08月号

夏の夜の風物詩 ぶらり奈良灯り
いつ食べる? 今でしょ! 元気の源 夏ごはん28店
終活シリーズ第3弾 子や孫に伝えたい日本の心 お盆 関西編
 yomiっこで何度か紹介してきた「あゆみ観音様」。陸前高田の被災松を使い、一人一刀のみ鑿入れをして彫像し、被災地に再び届けるプロジェクトだ。當麻寺中之坊の松村實昭住職らが中心になって実行委員会を作り、大津市の大仏師・渡邊勢山さんが制作を担当している。
 3月から奈良県内各地の約20か寺で鑿入れ式を開催し、約4000人が参加。このたび奈良県での第1回の巡回を終え、7月3日に信貴山の朝護孫子寺で完成祈願法会が営まれた。
 私もおじゃまして一刀入れたが、4か月の間にお顔やお姿がくっきり現れ、訪れた人たちがいと愛おしそうに鑿を握っていた。
 渡邊さんの言葉が印象的だった。「普通、仏様というと手を合わせて拝む姿を想像するでしょ。ところが皆さん、あゆみ観音様の手をギューっと握って『あんた、がんばるんやで』『しっかりせなあかんよ』とげき檄を飛ばすんです。こんな仏様は初めてです」と。また観音様の成長ぶりを見届けに来られるリピーターも多いという。
 ここまで身近な存在になるのは、東北復興への強い願いとともに、自分が手を入れた仏様という、単にお金を出すのではない直接的な関わりゆえではないかと思う。
 思えば東大寺の大仏様は聖武天皇の「一枝の草、一すくいの土でもよいから大仏建立に力を貸してほしい」という詔によって、国民が各々協力し、当時の天災やききん飢饉で苦しむ状況からの救いを願った。たくさんの国民が関わり、その思いが結集された大仏様は、国民の象徴となり、特別な、愛される存在として今も受け継がれているように感じる。
 仏様とは本来そういうふうに作られるものであるべきかもしれない。しからば、あゆみ観音様は、お姿は小さいけれども現代の東北の大仏様と言えそうだ。
 皆の期待を背負って観音様となって東北に戻られるのはもう少し先だが、きっと後世まで愛される仏様になるに違いない。
 
 
makican
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