アメリカ同時多発テロから早13年、先日、その9・11被害者家族会の皆さんが日本に来られて、東北の被災地を訪問し、最後に奈良に立ち寄った。
遺族や関係者で作る同家族会は、ロータリークラブを通じ、東日本大震災の被災者に心のケアなどを行ってきており、その橋渡しをしたのがニューヨーク在住、奈良市出身の柳澤育代さんと夫の医師・ロバートさんだったことから、奈良ともご縁が出来、一昨年に続いて訪問、奈良ロータリークラブが受け入れた。
団長のリチャードさんは消防局のトップとして、かつて経験したことのない恐ろしい光景の中、何日も何日も休みなく処理に追われたつらい経験を話された。この悲劇と平和の大切さを語り伝えるために、家族会は、昨年9月に、被災地グラウンドゼロの横にトリビュートセンターを開設、当時その現場にいた人々がボランティアガイドとなって、1日100人〜200人の観光客に語っているという。
そして家族会は、ニューヨークの世界貿易センタービルの鉄鋼を使った折り鶴のモニュメントを、今回、福島県郡山市に寄贈。広島の原爆で被爆して亡くなった佐々木貞子さんの折り鶴が、ニューヨークのトリビュートセンターに寄贈され、それがモニュメントの元となった。
さらに、このモニュメントに至るまでが『サダコの折り鶴』という絵本になり、郡山市内の幼稚園、小学校、奈良にも寄贈された。
折り鶴が今や世界の平和の象徴であることを受け、yomiっこの社員が折り紙で鹿を折り、奈良ロータリークラブを通じて手渡していただいた。
奈良の鹿は神様の使いであるが、それとともに平和のシンボルとも言える。人と鹿がのんびり歩いている光景は世界中でここしかないと思う。実際に奈良公園に行って鹿と触れ合った家族会の方々はその思いを理解し、トリビュートセンターに飾りますと話していた。鶴と共に、今後奈良の鹿がもっともっと世界の平和に貢献する日が来ますようにと願わずにいられない。