元気になる情報誌 yomiっこ
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編集長のメッセージ 2014年10月号 - yomiっこ
yomiっこ 2014年10月号

Re.Garden
[リ・ガーデン]
庭をあなたのオアシスに
旬来る、うまし蕎麦
リサイクルショップ
活用のススメ
 帝塚山大学の西山厚先生の講演を久々に聞いた。奈良国立博物館学芸部長の時から、女性にモテモテの先生だけあってそのソフトな語り口に魅了された。
 今回は西大寺を鎌倉時代に再興された叡尊さんの話だった。叡尊といえば、西大寺の復興とともに、お茶を庶民にも振る舞って大茶盛が始まった、そんな情のあふれる方と認識していた。
 実際は西大寺の他に全国で700ものお寺を作り、当時の朝廷や幕府からもひっぱりだこのスーパースターだった。慕って全国から集まった弟子の数は何と1500人もに及ぶという。
 以下、西山先生の受け売りだ。叡尊は貧しい家に生まれ、母親を7歳で亡くす。その後醍醐寺に入るが、貧乏ゆえ修行もろくにできず、35歳の時、縁あって西大寺に移る。奈良時代に威勢を誇っていた西大寺もみるみる廃れ、鎌倉時代には堂宇3つを残すのみ。叡尊は、自らに厳しい戒を仏と約束し、「興法利生」―正しい仏教を盛んにして皆を幸せにしよう―と決意する。
 叡尊は、五濁悪世に生まれ変わりたいと願ったという。五濁というのは地獄界のような悪い世の中のこと。自分は死んだら浄土の世界ではなく、地獄界に行って、苦しむ人々を救いたいと。また自分が頑張って功徳が得られるなら、亡くなった母親に向けてほしいと願う。今の世の中にこんな人はいるだろうか。地獄界に生まれ変わって人を救いたいとまで思う人が。
 叡尊は仏像やお寺を次々と作っていく中で、有力者からの寄進は一切受け取らず、庶民からの少しの田畑やわずかなお金を広く集め、これらを行ってきたという。
 聖武天皇が、大仏建立の際、国民皆に一握りの土、一束の藁でいいから持ってきて建立に力を貸してほしいと願われたのと似ている。
 聖武天皇や叡尊上人、大仏殿を復興された重源上人や公慶上人など、時代、時代に、お釈迦様の生まれ変わりのような方が出て来て、日本を救ってこられた。

 彼らは仏様ではなく私たちと同じ生身の人間なのだ。自分はどう生きるか、改めて背筋の伸びる思いがした。
 
 
makican
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